「いつか自分のビジネスを立ち上げたい…」
そう思いながらも、日々の忙しさに追われ、なんとなく一歩が踏み出せない。この記事を読んでくださっているあなたも、そんなモヤモヤを抱えているのではないでしょうか?
かく言う私も、かつては同じ悩みを抱える会社員の一人でした。
この記事では、そんなあなたに向けて、私の実体験をもとに、その「見えない壁」をどう乗り越えていけば良いのか、そのヒントをお話しします。
結論:焦らず「自分の考えが変わる時」を待つことが大切
いきなり結論からお伝えします。
起業への一歩が踏み出せない悩みを克服するために最も大切なこと。それは、「時間をかけて自分の考え方が変わるのを待つこと」です。
「え、待つだけでいいの?」と思われるかもしれません。しかし、これには深い理由があるのです。
なぜ、私たちは一歩を踏み出すことをためらうのか?
まず大前提として、何の迷いもなく起業できる人は、本当にごくわずかです。なぜなら、誰もが知る通り、起業にはリスクが伴うからです。
- 今の安定した会社を辞めて、本当に生活できるのだろうか?
- 自分の力で、ちゃんと売上を立てることができるのだろうか?
- このビジネスアイデアは、本当に世の中に通用するのだろうか?
悩みは尽きることがありません。そして、これらの不安は、起業する前に完全に解消することは絶対に不可能です。なぜなら、答えは実際にビジネスを始めてみなければ分からないからです。
リスクを認識しながら、あえていばらの道に進む。それが起業です。簡単に決断できるはずがありません。
さらに、人間には「現状を維持しよう」とする本能的な力(ホメオスタシス)が働いています。昨日と同じ自分でいようと、無意識のうちに変化を避け、元に戻ろうとするのです。
「起業」という大きな変化に対して、心と体がブレーキをかけてしまうのは、ある意味、当然のことと言えるでしょう。
【体験談】1年間の葛藤の末に訪れた「沸騰点」
ここからは、私自身の経験をお話しします。
私は社会人になる前から、「いつかは起業したい」という漠然とした夢を持っていました。しかし、最初のキャリアは大手企業のサラリーマン。給料も待遇も良く、安定した環境でした。
仕事を始めて1ヶ月も経たないうちに、「やはり自分には起業が向いている」と確信に近い思いを抱き始めました。
しかし、そこからが葛藤の日々の始まりです。
「本当にこの恵まれた環境を捨てていいのか?」 「失敗したらどうするんだ?」
毎日、毎日、自問自答を繰り返すこと、約1年間。
そんなある日、本当に突然、霧が晴れるように「よし、起業しよう」と、自分の考えがカチッと切り替わる瞬間が訪れたのです。
まるで、やかんでお湯を沸かすような感覚でした。
沸騰する直前まで、お湯は静かに見えます。しかし、水面下では葛藤という名の熱が少しずつ加えられ、エネルギーが溜まっていく。そして、ある閾値(いきち)に達した瞬間、一気に水蒸気となって沸騰するのです。
私の心の中で起きたのも、まさにこの「沸騰」でした。
気持ちが完全に切り替わってからは、迷いはありませんでした。すぐに行動計画を立て、着々と準備を進め、その数年後に無事、独立を果たすことができたのです。
「悩み続けること」こそが、本気度の証
この経験から私が学んだことは、本当に起業をしたいと願う人は、そのことについてずっと悩み続け、考え続けるということです。
そして、考え抜いた先にある「沸騰点」で、初めて覚悟が決まり、具体的な行動へと移るのです。
多くの人が実際には起業に至らないのは、この「悩み続ける」プロセスの途中で、考えることをやめてしまうからです。
厳しい言い方をすれば、それは「起業」に対する思いが、そこまで強くなかったのかもしれません。「なんとなくの興味」で始めたことが長続きしないのと同じで、人生を賭ける起業も、中途半半端な思いつきでは行動に移すことはできないのです。
アイデアは「後から」ついてくる
「でも、起業するための良いアイデアがありません」
そう考える方も多いかもしれません。しかし、個人的には、アイデアの有無は、現時点ではあまり気にする必要はないと考えています。
なぜなら、「絶対に起業する」という強い意志が固まれば、アンテナの感度が上がり、ビジネスの種は自ずと見つかるようになるからです。
大切なのは順番です。
先にアイデアを探すのではありません。「なぜ、自分は起業したいのか?」「その思いは本物なのか?」その問いに、とことん向き合うことの方が、何倍も重要なのです。
まとめ
もし今、あなたが起業への一歩を踏み出せずに悩んでいるのなら、焦る必要はありません。その悩みや葛藤は、あなたが「本気」である証拠です。
無理に行動しようとせず、まずは自分の心と向き合い続けてみてください。考え続け、悩み続ける日々は、決して無駄ではありません。それは、あなたの心を沸騰させるための、大切なエネルギーを蓄積している時間なのです。
そして、いつか訪れる「その時」を信じて、待ち続けてみてください。
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